わたしの五月
2016年 05月 09日

土曜日はとくに何の用事もなかった。
庭に植えたゴーヤとキュウリに水をやり、外に出た。
そしてなんとなく西武線に乗り、終点でおりた。
一人ぷらぷら歩いていると、狭山公園にたどりついた。
シロツメクサ、ハルジオン、ハハコグサ、タンポポ。
園内にはたくさんの草花が咲きみだれていた。
多摩湖周辺を見おろせるベンチがあったので、座ってみた。
ボリュームのある緑木が、とおくで春風にゆられている。
何の鳥かは知らないけど、チヨチヨとさえずりが聴こえる。
小さなアリが小さな草芽をせっせと運んでいる。
ツツジの上をモンシロチョウが舞う。
空をひゅうっとカラスが横切る。
どこを見ても、詩のようなもので満ちあふれていた。
五月がいちばん好きだなと思った。
最近出はじめた首のうしろのアトピーに、
風が当たるととても気持ちよかった。
草がゆれるのをボーッと眺めながら、
自分がここにいる不思議を思った。
気づかなかったけど、生まれてから今の今まで、
誰かがずっと祝福してくれていたような気がした。
風が強くなってきたので自販機でペプシを買い、飲みながら帰った。
まだまだ何を見てもいい、作ってもいい。作らなくてもいい。
それは本当にぜいたくな事だと思った。
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by kan328328
| 2016-05-09 08:07
| 日常