ぶんぶん、ブブーン

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この夏はよく昆虫採集をした。


子どもに虫とり網とカゴをもたせて、
玉川上水沿いまで出かける。
ねらいはクワガタ、カブトムシだ。

大物をさがして木肌を目で追っていると、
頭はカラッポになり、時がたつのを忘れる。


鉱石採掘、

ハーブ栽培、

野花観察、

宇宙の妄想、

昆虫採集、、、


自分が今まで没頭してきた趣味は、
どれも自然に由来するものだ。

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車、アイドル、ご当地キャラといった、
人間が無限にバリエーションを増やす物には、
どうも惹かれない。

音楽、映画、本も好きだが、
それらを享受している時、頭の片隅にはいつも、

「自分も表現したい」

という思いがチラつく。
我を忘れるほど何かに没頭するには、
やはり「人為」ではダメらしい。


最近つかまえた昆虫は、

ノコギリクワガタのオス1匹、

コクワガタのオス1匹、メス1匹、

コカブトのメス1匹、

カミキリ、セミ、バッタなどである。


レコードの針のようにチリチリと、
じつに繊細に動く口や手脚を見ていると、
なんともふしぎな気持ちになってくる。


この小さな生命を活動させているエネルギーは、
いったいどこからやってくるんだろう?

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この数日、実家にいる祖母が入院したり、
息子の保育園での態度が心配であったりと、
なんだか現実世界がざわついていた。

それに加えて、

「こんな文章書いて、誰が読むんだろうか?」

という今更といった空しさもあり(常にあるけど)、
ブログを書く気もすっかり失せていた。


でも、つかまえてきた虫をながめたり、
息子とプラネタリウムを見にいったり、
昔読んだ本を読み返したりしているうち、

自分の中にある切実なテーマが、
ゆっくりと形を成していくのを感じるようになった。

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ようやく今、心から「制作がしたい」と思う。
こうやって期待値が増していく過程というのは、
いつだってうれしいものだ。

by kan328328 | 2017-09-01 04:27 | 日常

美術作家・三宅感のブログです


by kan miyake
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