ぶんぶん、ブブーン
2017年 09月 01日
この夏はよく昆虫採集をした。
子どもに虫とり網とカゴをもたせて、
玉川上水沿いまで出かける。
ねらいはクワガタ、カブトムシだ。
大物をさがして木肌を目で追っていると、
頭はカラッポになり、時がたつのを忘れる。
鉱石採掘、
ハーブ栽培、
野花観察、
宇宙の妄想、
昆虫採集、、、
自分が今まで没頭してきた趣味は、
どれも自然に由来するものだ。
車、アイドル、ご当地キャラといった、
人間が無限にバリエーションを増やす物には、
どうも惹かれない。
音楽、映画、本も好きだが、
それらを享受している時、頭の片隅にはいつも、
「自分も表現したい」
という思いがチラつく。
我を忘れるほど何かに没頭するには、
やはり「人為」ではダメらしい。
最近つかまえた昆虫は、
ノコギリクワガタのオス1匹、
コクワガタのオス1匹、メス1匹、
コカブトのメス1匹、
カミキリ、セミ、バッタなどである。
レコードの針のようにチリチリと、
じつに繊細に動く口や手脚を見ていると、
なんともふしぎな気持ちになってくる。
この小さな生命を活動させているエネルギーは、
いったいどこからやってくるんだろう?
この数日、実家にいる祖母が入院したり、
息子の保育園での態度が心配であったりと、
なんだか現実世界がざわついていた。
それに加えて、
「こんな文章書いて、誰が読むんだろうか?」
という今更といった空しさもあり(常にあるけど)、
ブログを書く気もすっかり失せていた。
でも、つかまえてきた虫をながめたり、
息子とプラネタリウムを見にいったり、
昔読んだ本を読み返したりしているうち、
自分の中にある切実なテーマが、
ゆっくりと形を成していくのを感じるようになった。
ようやく今、心から「制作がしたい」と思う。
こうやって期待値が増していく過程というのは、
いつだってうれしいものだ。
by kan328328
| 2017-09-01 04:27
| 日常