粘土のウサギ
2017年 11月 14日
先々週末、日大病院に出向いて、
一緒に紙粘土制作をされた方が、
おとといの朝にご逝去されました。
心からお悔やみ申し上げます。
当日は材料をいろいろ用意していきましたが、
その方の体調や時間とのかね合いもあり、
僕が目のまえで、公開制作をすることに。
生まれ年の干支であるという、
「ウサギ」
というリクエストをいただいたので、
僕は「待ってました」とばかりに、
紙粘土をこね始めました。
ウサギなら予備校時代の課題で、
50匹くらいは作った経験があるので、
わりと自信があったのです。
が…
いざ作りはじめてみると、なかなか形が決まらない。
ぜんぜん、決まらない。
…ウサギの耳って、上向きだったっけ?
横向き?
指のカタチは?
目のカタチは?
…ほ乳類?
あたふたと迷走する僕の指先を見つめて、
「私が死んだら葬儀場であなたの作品を販売しなさいよ。
芸術家なら、そのくらい狂わないとダメよ」
という冗談が飛び出した時は、ドキリとさせられました。
ウサギともカエルともつかぬ、
アイマイな生物の間を行ったり来たりする紙粘土を、
じっと真剣に見つめていた眼差しを忘れません。
たった一日でしたが、素晴らしいひと時でした。
本当にありがとうございました。
by kan328328
| 2017-11-14 13:50
| 思い出