仮の話
2017年 11月 16日
仮に、もし仮にですね。
さまざまな身体障害者、
精神障害者の通う作業施設で、
職員が窃盗行為を働いたとしたら…
その行為がいったい、何を意味するのか?
って事を、
その職員はちゃんと考えた方がいいと思いますよ。
ただでさえ、
言語障害で会話がままならない人や、
トーキングエイド(会話補助装置)を使わないと、
発話もできないような子たちが参加するイベントで、
職員が売り上げをこっそりフトコロに入れた場合、
これほんと、かなり悪質です。
だって万が一障害者の子たちに、
窃盗の容疑がかけられてしまった場合、
彼らが身の潔白を証明するのは、
非常に困難になるわけです。
たどたどしく一語一語をゆっくり発音しながら、
自分の無実を訴えなければならないし、
誰かに強い口調で問いつめられたりしたら、
事実無根の濡れ衣にすら平気でうなずいてしまう子も、
たくさんいるわけです。
そんな彼らの姿を、一度でも想像した事がありますか?
と、問いたい。
こういうケースの場合、たんなる窃盗事件ではなく、
障害者と健常者のあいだにある、
「意思表明における格差」もはらんだ、
きわめて悪質な窃盗だと思うのです。
もしその職員が、
そんな事考えもせずにやったんだとしたら、
あまりにも安易だし、
逆に、わかった上でやったんだとしたら、
この仕事自体、辞めたほうがいい。
向いてないから。
介護・福祉の現場でもっとも大事なのは、
資格でも、効率化でも、テキスト上の専門知識でも、
まして地域イベントの売り上げなんかでもなく、
利用者との信頼関係です。
もうほんと、これしかない。
逆にこれさえ押さえていれば、
あとはわりとどうにかなる。
って言ったら語弊があるかもしれないけど…
とにかく、
何年たっても利用者との信頼関係を築けていない人が、
誰も見てないと思ってシラッと売り上げをごまかしても、
大抵、利用者の方がしっかりと気づいている。
どんな職場であれ、
窃盗事件が起きた時に、まず最初に疑われるのは、
人間的に信頼できない人だから。
決定的証拠がなくたって、
みんなその人のことを犯人として想定しながら、
「事件前後に不審な言動がなかったかな?」
と、思い出そうとするわけです。
不信感というのは時間とともに膨らんでいくし、
シラを切り通そうとすればするほど、
みんなからの信頼も失われていくって事を、
覚悟したほうがいい。
まあ、そもそも、
障害者の人たちが働いて稼いだお金に手をつける時点で、
利用者の事なんて何にも考えていないんだろうけど。
謝るなら早いに越したことはない。
しっかり自分の不正を認めて、謝ったほうがいい。
(これはその職員の勇気に関わってくる)
以上、
「職場でこういう事が起きたら嫌だな」という、
仮定の話でした。
僕の働いている職場では、
そんな事は絶対起こり得ないですから。
by kan328328
| 2017-11-16 20:04
| 日常