教訓

d0108041_14442097.jpeg

前回のブログに書いた、千代紙をほどこした手鏡。

それを展示するお店に送った所、
企画者ご本人から、

「期待を裏切るような、思惑外れの作品」

という感想をメールでいただいた。

まさかそんな批判をもらうとは思わず、
虚をつかれた気がした。

自分としては、
千代紙のやさしい質感が生かせたなあと思い、
その出来にかなり満足していたのだけど。
(送るのが惜しくてマジマジと眺めたくらい)

なのでとりあえず、
「ご期待に添えずすみません」と返信した。

d0108041_14434670.jpeg

なんだろう、この感じ。

例えばこれが、仕事として受けた話だったら、
作品を否定されたとしても仕方のない事だし、
先方の期待に添うように作品を改良するべきだと思う。

作品でお金をもらうとは、そういう事だ。

でもこの作品はあくまで、
「亡くなった同級生の親の店で展示する」という事で、
友人から誘われて、無償で制作した物なのだ。

だからといって、テキトーに作ったわけではなく、
同級生を思い浮かべながら、自分なりに心をこめて、
時間をかけて作ったつもりだ。

それをなぜ、企画者から、

「期待を裏切るような、思惑外れの作品」

などと言われなきゃいけないんだろう?
てか、
そもそも俺に何を期待していたのだろう?

その企画者と俺は一度も会った事ないのに。

d0108041_14431659.jpeg

何だか、とても残念である。

でも、もういいや、と思う。
こういう事は今まで、たくさんあったから。

「君、絵うまいし何か一枚描いてよ」

と言われて、描く。

頼まれた以上、
作家としてのプライドもあるので気を抜かず、
自分なりに構図やら、モチーフやら、タッチやら、
アレコレ頭で考えて、時間をかけて描く。

描くときは真剣勝負であり、
サラサラ描いているように見えて、
かなり筆圧も高まり、緊張している。

そして、やっとこさ完成させて、相手に渡すと、

「サンキュー、じゃあ、そこ置いといて」

である。
むしろサンキューの一つもあれば良いほうで、
忘れて置いて帰ったり、「いらない」という人もいる。
こんな事はザラだし、そこへかぶせるように、

「描いてて楽しいんでしょ?なら良いじゃん」

と言われたりするともう、グウの音もでない。

・・・まあ、
楽しいよ。楽しいけども。
じつはすげー疲れるのよ。

という本音は、恩着せがましくて言えない。
「じゃあもう頼まない」で終わってしまうから。
だからこんな事、作家は誰も言いたくないが、
みんな内心では思っているのだ。


ウガーーーーー!!!!!

d0108041_14451029.jpeg

今回、良かった事。それは、

「でも、自分も同じ無礼を散々周りにしてきたなあ」

と、己をふり返るキッカケになったこと。

イヤ、同じ無礼どころか、
相手の親切心にドロをぬりたくるような無礼非礼が、
解像度MAXの具体例でもってアレコレ思い返される。

関口くんに、山﨑さんに、奥さんに、お義母さんに、
丸山さんに、阿久津さんに、秋永さんに、etc・・・

数え上げるとキリがないが、

皆さん、あの時は本当にごめんなさい。
今でもたまに思い出して後悔しています。

d0108041_14453464.jpeg

教訓。

「ボランティアで制作すると、時に痛いしっぺ返しを食う」

自分としてはこの手鏡作品、とても気に入っている。

自画自賛するのもバカバカしいけど、
六角形の画面にみずみずしい詩情があふれている。

企画者に「期待を裏切る作品」なんて思われて気の毒だ。
どんな作品であれ、カタチを変えた俺の子供である。
展示が終わったら、さっさと返却してもらおうと思う。

だから、そう。大切なのは、
人のためではなく、自分のために作ること。
それを思い出すことができて良かった。

自分と真摯に向き合った作品だけが、
人にも伝わる強度を持ちえるのだ。

ということで、自分の制作をがんばります。

Commented by syun__kan at 2018-02-04 00:16
アーティストに無料で出品させるような、
アマチュアの言うことなんか気にするな!
Ⅿちゃんの魂は三宅君の作品を喜んでいると思う。
それがすべてだよ。
そして三宅君に無礼を言われた記憶は無いぜ。
うちらは太郎さんの名前を背負っているのだから、
自分を高く売って行こうね。

関口
Commented by kan328328 at 2018-02-04 00:49
ありがとう、自分に出来ることをしたので悔いは無いです。関口君には結構無礼を言ってて、わりと細かに覚えています。元を辿れば全部ただの嫉妬だけど!!!
by kan328328 | 2018-02-03 14:50 | アート | Comments(2)

美術作家・三宅感のブログです


by kan miyake
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28