あの赤が見たい

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2018年6月5〜23日、多摩美術大学で個展やります。
どうぞよろしくお願いします!


前の記事で「チラシを街頭で配りまくる」
と豪語しました。でも、
大学から送られてきたチラシの現物をみて、
その気は失せました。

何かスゴイ上質な紙に印刷されてるので!

色味もとてもキレイに出ているし、
これ、通行人に配るのもったいない。
興味なきゃ渡してもゴミ箱にポイだろうし。

どこかお店に置いてもらおう。
余った分は部屋に飾ろう。
と、思いました。

さっそくチラシを友人に見せたところ、
「ここに写っているの、奥さんと息子?」
と、聞いてきたので、

「いや、女装した自分と、幼少時の自分だよ」

と答えたら、

「うわ、見たくねえな」だって。

そりゃそうですよね。

でも、東京中に配るよー!!

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それで私は告知のために、
2年前から始めたSNSをギクシャクと使いつつ、
Facebook、ブログ、HP、仮死状態のTwitter上に、
時おりぬるく浮上するようにしているのですが、


なんか・・・

楽しいですね、SNS。

この感覚はなんだ。

一人じゃ・・・ないみたい。

まるでステキな・・・一体感。

・・・うん?


20代の頃、
あんなにひたむきに貫き通した孤独が。

深夜、オンボロ下宿に充満していた、
発狂しそうなくらいの静けさが。

チクチクと刻む秒針に怯える、
あの心細く張りつめた神経が。

たった一人時代の逆風を行くぞという覚悟が。

突っぱり通す事だけを胸に誓ったあの矜持が。

ゆっくり溶けていく、SNSに・・・


お、コイツ彼女とお台場デートしてる。

お、コイツの子供大きくなったなあ。

お、コイツ土手でタンポポ撮影しているぞ。

お、コイツ友達1000人もいる。


SNS・・・楽しい。

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昔テレビで、
「ヤクザの組長が改心して、教会の牧師になった」
というドキュメンタリー番組を見た時、

「オッサン、振り幅デカすぎ笑」

と笑ったもんだけど、
今にして思えば「さもありなん」という感じである。

何でもそうだが、相反する力ってのは、
どちら側に傾注させるかの違いなだけで、
エネルギーの総量はきっと同じなんだろう。

だから、
己のコンプレックスで強烈に引きこもる人が、
いざ表にカミングアウトした時の人間解放感たるや!

そこらのリア充の比じゃないだろう、と思う。

自分は制作中、ググッと内奥に向かうタチなので、
いざ宣伝段階になって表にひっくり返したときに、
バチコーンと天高く吹き飛べるはず。

そんな気がしていたのだった。

引き込む力、押し出す力、
どちらも両立させたいと願う気持ち。

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そう、そう。

そうだったのか、おまえ・・・

洗濯物の乾いたにおいが、

庭のバケツに滴り落ちる雨音が、

少し色あせてザラついたヒナゲシが、

がむしゃらになって疾走する、
マラソンランナーの引きつりが、

何でもいいがそういった、
ヒリつくような一人きりの日常感覚が、
自分には何より大事だってことを、

書きながら、思い出した。


あーこうしてまた、
一人に揺り戻されていく。


というか、もともと一人だった。


いまこの瞬間、
旅先でふらりと美術館に入り、
誰もいないしずかな展示空間で偶然、
関根正二の絵画と出会いたい。

あのジンジンと染み入るような赤が見たい。

どこまでも淋しい、あの赤が見たい。

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by kan328328 | 2018-05-20 07:46 | アート | Comments(0)

美術作家・三宅感のブログです


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