なんとなく、トロピカル

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あっという間に5月も終わりだ。


そういえば元号が令和になったっけ。
新時代の幕開けだけども、流れてくるのは、
あいかわらず悲惨なニュースばかり。
幼児虐待、暴走運転事故、通り魔殺人、
ホント何なん?この国・・・

そんな世相の反動なのかわからないけど、
最近、無性にアロハシャツが着たい。

急にきた。アロハブームが。

気づけばいつもアロハの事ばかり考えて、
休日は近所の古着屋や下北沢を巡っている。
けっこう楽しいよ。

これはどんな心境の変化だろう。
ハワイとか行ったことないのに。
頭にココナッツでもぶつかったんかな。

久しぶりだなーこんな夢中になる趣味。

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思い返すと25くらいまでは、
柄シャツや古着が好きでよく買ってたな。

でも映画のロケハンで炎天下歩き回ったり、
慣れない肉体労働を掛け持ちしたりと、
汗ダクな日々が増えるにつれ、段々と、
オシャレ着を買わなくなっていったなー。

そのうち服とかどーでもよくなって、
ユニクロのコスパの良さにも服従しきった頃、
突然、ピシャーンとアロハの天啓に打たれた。

たぶん、カメハメハーみたいなやつ。

キッカケとなったのは、
職場の近くにあるおばちゃん食堂だ。
こないだ店の前通ったらフリマみたいのやってて、
そこに一着だけ、着物をリメイクしたらしき、
古ぼけたアロハがぶら下がっていたんだ。

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すんごい黄ばんでるし、シミだらけだし、
どこか皮膚っぽいっつーか、湯葉っぽいっつーか、
正直「老婆の抜け殻みたいだな…」と思ったので、
静かに立ち去ろうとしたんだけど、

背後からシワガレ声で、

「どうじゃあ。ワシを着てみい。
小娘にゃ出せぬ着心地でシットリ馴染むぞえ」

と、老アロハが誘惑してくるもんで、
やむなく300円を払って、持ち帰った。

そうやって交信できるアロハは、
大体300〜2800円位のくたびれたやつが狙い目。
てか狙うも何も、若者には全く流行ってないし、
ハードオフでは叩き売り状態なわけで。

そんでもって、完全に人をナメてるような、
パイナップルとか、カメハメハ大王とか、
ケバい原色のオウムとか、ミス・ビキニとか、
そういうノーテンキなプリント柄なら尚いいー。

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ああ、アロハ。

なんかこういう嗜好の変化って、
日頃の疲れから来るんだろーな。
最近そんな事ばっか書いててイヤになるけど。

生活に追われるとついメンタルも塞ぎがちで。
それに対して、体中の細胞が反発する感じ。

「こいつ最近疲労ヤベーし、
とりあえずアロハとか着せた方がいんじゃね?」

って、雑な細胞会議が行われている気がする。
俺が寝てる時とかの体内で。

だからもっとこう、楽しくありたい。
仕事も、家庭も、育児も、アートも。
深刻になりそうな時ほどさ、

アハハ、ベロベロバーーー

ってやらなきゃダメなんだ!尻でも出してさ。
でも、それができないから、
せめて柄シャツで浮かれていたいんだ。

どうせなら、
スキップするくらい浮かれたいし、

ケンケンパするくらいフザケたいし、

ジダンダ踏むくらい悔しがりたいよ!

そして、ダルッダルに弛緩しきった、

テロッテロでペラッペラのアロハが着たい!!

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by kan328328 | 2019-05-30 06:46 | ファッション

美術作家・三宅感のブログです


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