いまは深夜3時。
昨日の朝からずっとアトリエで制作してます。
いつもこの汚れた手のひら、ジャージ、作業靴で、
既視感ハンパない。自分のまわりを見渡しても、
コンペ作品を作っていた4年前と何ら状況は変わらず。
もっと華々しい未来を想像していたけれど・・・
新作つくるより売り込みをするべきだったのか。
一時増えたかに思えた人脈も、時間が経ってみれば、
こうしていつものブツブツ一人語り。
しゃーないね。
変化といったら、美大の非常勤講師になった事、
日に日に深くなっていく目元のシワ、
ムリの効かなくなってきた身体能力くらい。
だからこそ今、眠い体にムチ打って制作中。
外の雨はどんどん強くなっていく。
今夜はまだ続けるのだろうか。
もうそろそろやめようか。
やめたとしても体力的に、家まで帰れるか怪しい。
ああ、また貴重な土曜日が終わってしまった!
こうして朝を迎え、日曜の夕方から仕事が始まり、
月曜になれば再び労務者へと戻っていくのだ。
そしてこれからも何度も、何度も、何度も、
くり返しつづける日常の合間に無理くり、
制作をねじ込んでいくのだろう。
どんなに作品に情熱を注ぎ込もうと、
作ろうと、作るまいと何ら反響のない、
この日常の先にいったい何があるのだろうか。
ただ歳をとる。
どんどん歳をとる。
そして、おおよそみんな、
思ってもみなかったタイミングで死んでしまう!
それだけの人生だったとしても、
べつに不満はないし、他に望みもないけど、
ああ、でももう一度京都の鴨川には行きたいな。
あそこにいた若者らが醸し出していた淡い空気、
あれを胸いっぱい吸い込みたい。そして東京に戻り、
一人きりのアトリエで吸っては吐き、吸っては吐き、
他人の青春をひそかに反芻するのだ。
うう、なんてキモい36歳だ・・・
制作を優先すると友人との交流がなくなる分、
せめてバーチャルで人様の思い出を味見したいと思う。
ただそれだけだ、この変態野郎!!
制作していると、古い友人たちの事ばかり思い出す。
彼ら彼女らが今ごろ何しているのか、知る由もない。
かといってSNSでチェックする気にもなれない。
具体はいらないんだ。ランチに何食べたとか。
大切なのは消えない印象であって、
具体でもなきゃ、即時でもないんだってば!
十数年会ってない友人たちでさえ、
俺の頭の中では元気よく走り回っているよ。
KくんがYちゃんに、YちゃんがHさんに、
そしてNちゃん、Mくん、T、S、R、K、I…と、
次々バトンをつないで疾走していく姿が見える。
みんな、元気しているのだろうか?
がんばれ、つっ走れ!!
結婚していようと、離婚していようと、
家族と暮らしていようと、一人暮らしだろうと、
人は皆、孤独なランナーみたいなものだし、
俺もこうして深夜3時にひとり、
畑のど真ん中で粘土をこねているぞ!