マリーゴールドみたく揺れるの

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「あいみょんになりきってマリーゴールドを歌う感みょん」


なぜか無性にスケボー的なモノに乗りたくなり、
流行りのペニーボード(の類似品)を2つ買った。

スケボーは木製だけどペニーはプラスチック製。
タイヤはやわらかく、走行音はとても静かだ。

中学生のころ、スケーターの友達にまじり、
はじめてスケボーを買った。運動オンチな俺は、
トリックはおろかオーリーすら出来なかったが、
毎日暗くなるまで夢中になって練習したものだ。

あれから20年経ったけど体は覚えているようで、
ペニーにはわりとすんなり乗ることができた。

不安定な小ささゆえ、
あらゆる方向へ体を揺さぶってくれるペニー。
グングンとプッシュの速度を上げていくと、
得もいわれぬ解放感で全身がハイになる。

時おりすっ転ぶその痛みすら俺には楽しく、
ヒマさえあれば奥さん息子と近所の坂へ行き、
がむしゃらに滑走する日々だ。

生活能力は低いくせに、遊びがやめられない。
お金にならぬ行為への、この並々ならぬ情熱は、
いったいどこから湧いてくるのだろう。

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「近所の視線が気になり急に照れ出す感みょん」


ペニーを終えて帰宅したらば間髪入れず、
息子とオイルクレパスで絵を描く。
白紙にグリグリと色を塗りこめるその行為は、
絵というより祈祷行為に近いかもしれない。

山吹色に紫をのせる、張りつめたアブなさよ。

青白んだアイボリーにマゼンタをのせた時の、
ゾクゾクするような高揚感よ、永遠なれ!

親子ともども絵の憑き物が落ちると、今度は、
まがまがしい食虫植物、アボカド、スイカの芽、
押入れで眠るカブトムシのサナギ10匹に霧吹きし、
コクワガタと闘魚にエサをやってから寝る。

そして目が覚めたなら、アトリエで制作だ。

こうして昔も今も、
得体のしれぬ衝動につき動かされるがまま、
乗って、飼って、作って、塗りつぶすことで、
この人生とかいう訳のわからぬプロセスを、
ことごとく摩耗させようとするのだった。

そんなスタンスだから、毎年体に支障が出る。

3年前にはギックリ腰を2回、
2年前は両手を主婦湿疹が襲い、
去年は高熱が二週間以上つづいた。

そして先週からずっと首の激痛に襲われている。
これもカラダから来る養生サインだろう。

だからこそ俺は、
鎮痛剤を少し多めに飲んでAmazonを開くと、
新しいペニーをポチッとするのであった。

by kan328328 | 2019-07-05 20:31 | 日常

美術作家・三宅感のブログです


by kan miyake
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