マリーゴールドみたく揺れるの
2019年 07月 05日
なぜか無性にスケボー的なモノに乗りたくなり、
流行りのペニーボード(の類似品)を2つ買った。
スケボーは木製だけどペニーはプラスチック製。
タイヤはやわらかく、走行音はとても静かだ。
中学生のころ、スケーターの友達にまじり、
はじめてスケボーを買った。運動オンチな俺は、
トリックはおろかオーリーすら出来なかったが、
毎日暗くなるまで夢中になって練習したものだ。
あれから20年経ったけど体は覚えているようで、
ペニーにはわりとすんなり乗ることができた。
不安定な小ささゆえ、
あらゆる方向へ体を揺さぶってくれるペニー。
グングンとプッシュの速度を上げていくと、
得もいわれぬ解放感で全身がハイになる。
時おりすっ転ぶその痛みすら俺には楽しく、
ヒマさえあれば奥さん息子と近所の坂へ行き、
がむしゃらに滑走する日々だ。
生活能力は低いくせに、遊びがやめられない。
お金にならぬ行為への、この並々ならぬ情熱は、
いったいどこから湧いてくるのだろう。
ペニーを終えて帰宅したらば間髪入れず、
息子とオイルクレパスで絵を描く。
白紙にグリグリと色を塗りこめるその行為は、
絵というより祈祷行為に近いかもしれない。
山吹色に紫をのせる、張りつめたアブなさよ。
青白んだアイボリーにマゼンタをのせた時の、
ゾクゾクするような高揚感よ、永遠なれ!
親子ともども絵の憑き物が落ちると、今度は、
まがまがしい食虫植物、アボカド、スイカの芽、
押入れで眠るカブトムシのサナギ10匹に霧吹きし、
コクワガタと闘魚にエサをやってから寝る。
そして目が覚めたなら、アトリエで制作だ。
こうして昔も今も、
得体のしれぬ衝動につき動かされるがまま、
乗って、飼って、作って、塗りつぶすことで、
この人生とかいう訳のわからぬプロセスを、
ことごとく摩耗させようとするのだった。
そんなスタンスだから、毎年体に支障が出る。
3年前にはギックリ腰を2回、
2年前は両手を主婦湿疹が襲い、
去年は高熱が二週間以上つづいた。
そして先週からずっと首の激痛に襲われている。
これもカラダから来る養生サインだろう。
だからこそ俺は、
鎮痛剤を少し多めに飲んでAmazonを開くと、
新しいペニーをポチッとするのであった。
by kan328328
| 2019-07-05 20:31
| 日常