大雨とコロナ続きで休日すら楽しめず、
せめてもの悪あがきでタコ焼きを焼いた。
タコだけじゃつまらないと思い、
イカとあげ玉とショウガを生地に混ぜ、
ソースと青のりとかつお節をまぶして、
食べた。
トッピングにはキムチ、明太、チーズ、
粉もの界隈で顔なじみのメンツたち。
ワイワイ騒がしくもまとまりのある、
同窓会のような味になり、旨かった。
ビールと焼酎を呑みつつ、
一個、もう一個とつまんでいると、
なぜか高円寺のガード下が思い出され、
あの雑多な暗い路地がなつかしい。
ひっくり返したビールケースに座り、
何をあんなに熱く語っていたんだっけ…
そのままトロンと意識がなくなり、
いつのまにかベッドで寝ていたらしく、
深夜変な時間に目が覚めると、今度は、
トムヤムクンラーメンを作って食べた。
寝ても覚めても、アジア人である。
酸味と辛味と甘味としょっぱさが、
それぞれ勝手な方向に突き抜けていき、
大事なまん中の味はポッカリ不在。
トムヤムクンは現代アートだ。
ここのところ、
新しい小説が読めなくなった。
「この言い回しで唸らせてやろう」
という作家の作為を年々、
受け付けなくなってきている。つまり、
感性が枯れ始めているらしい。
「いい文章は後にも先にも、
自然体で書かれた物に尽きる」
と、心底信じている自分としては、
作り込まれた物こそ良しとする現代と、
どんどんかけ離れていくようで寂しい。
それでも狙わず、装わず、
ヒマならヒマだと書く自分でありたい。
感じたことをそのまま表現するのは、
本当に難しいからこそ、なおさら。
昔、ネット記事か何かで読んだ、
俳優の柄本明さんのインタビューで、
「劇団東京乾電池の頃は意地になって、
退屈な芝居ばかり作っていた」
というコメントの真意が、
最近ようやくわかってきた気がする。
美術作家・三宅感のブログです
by kan miyake
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