父ちゃんのホーが聞こえる
2020年 08月 17日
前から欲しかった「三角ホー」っていう、
イケてる農具をAmazonで買った。
スネ夫が凶暴化したような形の、
雑草をひっこ抜いて、刈り、集めるやつ。
さっそくアトリエ行って試したら、
気持ちいいくらいブチブチ雑草が抜ける。
「おお、ホーすげー!ホーすげー!」と、
一人興奮した。
うだるような炎天の下、
極度の紫外線アレルギーである俺は、
全身に日焼け止めをベタベタ塗りたくり、
鈴木その子みたいな白塗りになって、
ひたすら草むしりをした。
何時間も何時間も手を休めることなく、
笹も、竹も、よくわからないキモい草も、
根こそぎホーで抜きまくって、捨てる。
そして腕が疲れてきたときは、
「クソ!クソ!コロナが!コロナが!」
と、罵りながら作業したので、
メチャクチャはかどった。
アトリエ周辺の草をすべて抜き終わり、
今度は発泡スチロールの分別をした。
キレイな発泡スチロールだけ選別して、
ゴミ処理場で安く処分してもらうのだ。
前回は受付まで持って行ったものの、
発泡が汚れていたために門前払いをされ、
とてもくやしい思いをした。
なので今回はしっかり汚れを除去してから、
車の後部座席へ発泡をギューッと詰め込み、
ふたたびゴミ処理場へと向かった。
「今度は拒否させねーぞ」と、
勇み足で受付まで行くと、ドアの窓に、
「来週まで夏休みを頂きます」の張り紙。
ふ…ふざけんな!!!と心で絶叫し、
俺は泣く泣くアトリエにもどった。
帰る道すがら、
「なんかこのままだと発泡を、
墓場まで持ってくハメになるんじゃね…?」
と思い、絶望的な気持ちになった。
なので、アトリエに到着するとすぐに、
作業場の整理を始めた。
「怒りに執着しない、執着しない」と、
自分に言い聞かせつつ、
いらなくなった道具類を袋に捨てていく。
そしてふと、道具棚の下を見やると、
ずっと置きっぱなしだったアセトンの缶が、
この暑さでパンパンに膨れ上がっている。
「ヤバい、爆発する…!!」
慌てて缶を外に出し、遠くから恐る恐る、
マイナスドライバーでツンツンしたら、
「ボッコーーーン!!」
という破裂音とともに、
缶のフタが空の彼方までふっ飛んでいった。
その瞬間、俺は何もかもやる気がなくなり、
速攻で帰宅した。
by kan328328
| 2020-08-17 17:53
| 日常