「作家なんだから、
もっと作ってますアピールしたら」と、
奥さんから忠告を受けた。その通りである。
新作を作ってます!
毎年冬が近づくにつれ、自分の中にある、
「孤独をうながす神経」のようなものが働き、
ほぼ強制的に内省モードになってしまう。
いったい何なのでしょうか。
このサイクルが嫌で嫌で、
秋が深まると決まって憂鬱になってきたけど、
これも自然がもたらす一つのリズムとするなら、
そろそろ受け入れなくてはいけない気がする。
どんなに嫌だろうと、これが自分なのだし。
最近は幼い娘のつかまり立ちが可愛く、
息子は息子で変化球な甘え方を示し始めており、
休日の朝からアトリエに行こうにも、
後ろ髪を全力で引っぱられるような思い。
なので「子供を言い訳にしたら終わりだぞ」
と、自分に言い聞かせてアトリエに向かう。
10年後に「パパは昔やりたい事あったけど、
お前たちの育児を優先したんだ」などと、
最低な発言をしないため。
今年も言い訳だけはしませんように。
世間は出会いと別れの季節である。
自分のまわりも人の入れ替わりが激しい。
転職していく人たち、新たに入社する人たち、
卒業していく学生さんたちなどなど、
すべて刻々と移りゆく。
一期一会、会者定離、サヨナラだけが人生だ。
昔の人はいい言葉を考えたなーと思う。
歳を取れば取るほどその意味が、
胸に沁み入ってくるようだ。
自分は昔から、人と親交を持ったり、
場になじんだりするのにえらく時間がかかる。
なので、相手への信頼が芽生えるころには、
同時にお別れの時がやってくることも多い。
ふとあたりを見渡すと、環境も、人員も、
すっかり様変わりしているのだ。
時代の変化は早い。
自分の歩みはいつだって遅い。
やっと火起こしを覚えた原始人が、
オホーとドヤ顔でうしろ振り向いたら、
仲間は全員AIロボに進化していたような、
そのくらい圧倒的な差を感じる。
この30数年来、
何をするにもスロースターターな私の目前を、
シャカシャカと多くの人々が高速で行き交い、
議論し意気投合し何か始めるも仲違いして、
また別々の場所へ去っていった。
みんなどこへ行ってしまったんだろうか。
もう同じ場所には戻ってこないんだろうか。
自分はずっとここにいる。
美術作家・三宅感のブログです
by kan miyake
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