サヨナラダケガ人生ダ
2021年 03月 08日
「作家なんだから、
もっと作ってますアピールしたら」と、
奥さんから忠告を受けた。その通りである。
新作を作ってます!
毎年冬が近づくにつれ、自分の中にある、
「孤独をうながす神経」のようなものが働き、
ほぼ強制的に内省モードになってしまう。
いったい何なのでしょうか。
このサイクルが嫌で嫌で、
秋が深まると決まって憂鬱になってきたけど、
これも自然がもたらす一つのリズムとするなら、
そろそろ受け入れなくてはいけない気がする。
どんなに嫌だろうと、これが自分なのだし。
最近は幼い娘のつかまり立ちが可愛く、
息子は息子で変化球な甘え方を示し始めており、
休日の朝からアトリエに行こうにも、
後ろ髪を全力で引っぱられるような思い。
なので「子供を言い訳にしたら終わりだぞ」
と、自分に言い聞かせてアトリエに向かう。
10年後に「パパは昔やりたい事あったけど、
お前たちの育児を優先したんだ」などと、
最低な発言をしないため。
今年も言い訳だけはしませんように。
世間は出会いと別れの季節である。
自分のまわりも人の入れ替わりが激しい。
転職していく人たち、新たに入社する人たち、
卒業していく学生さんたちなどなど、
すべて刻々と移りゆく。
一期一会、会者定離、サヨナラだけが人生だ。
昔の人はいい言葉を考えたなーと思う。
歳を取れば取るほどその意味が、
胸に沁み入ってくるようだ。
自分は昔から、人と親交を持ったり、
場になじんだりするのにえらく時間がかかる。
なので、相手への信頼が芽生えるころには、
同時にお別れの時がやってくることも多い。
ふとあたりを見渡すと、環境も、人員も、
すっかり様変わりしているのだ。
時代の変化は早い。
自分の歩みはいつだって遅い。
やっと火起こしを覚えた原始人が、
オホーとドヤ顔でうしろ振り向いたら、
仲間は全員AIロボに進化していたような、
そのくらい圧倒的な差を感じる。
この30数年来、
何をするにもスロースターターな私の目前を、
シャカシャカと多くの人々が高速で行き交い、
議論し意気投合し何か始めるも仲違いして、
また別々の場所へ去っていった。
みんなどこへ行ってしまったんだろうか。
もう同じ場所には戻ってこないんだろうか。
自分はずっとここにいる。
by kan328328
| 2021-03-08 15:59
| 日常