若者のすべて
2021年 09月 17日
夏休みが明けてひさしぶりに大学へ出校した。
昼に二年生たちと恋愛談義で盛り上がり、
それが終わると今度は三年生たちと恋愛談義。
あっという間に3時間が過ぎていた。
まさにキャンパスライフといった感じだけど、
そこはさすがの美大、会話の合間にちょくちょく、
バタイユやサリンジャーやトビー・フーパーや、
エドワード・ヤンの固有名詞が飛び交う。
そうやってたびたび哲学的方向へ脱線しつつも、
最後は「どうすれば理想の相手と出会えるか?」
に戻ってくる感じがいい。人生ってそうだよね。
恋バナフォーエバー。
この数ヶ月は自分の中から、
ブログを書く動機がスッポリと抜け落ちていた。
仕事上のストレスもない、家庭の不満もない。
体のあちこちが痛いけど、年末の展示準備をしつつ、
日々、等身大で過ごしている。
子供ら二人も元気である。奥さんいわく、
一歳半になる娘はカート・コバーンにぞっこんで、
YouTubeでニルヴァーナのライブ映像を流すたび、
「カクイ〜カクイ〜(格好いい)」とご満悦だそうだ。
で俺が近づくと「クサイ〜(臭い)」というのも、
最近おぼえた言葉らしい。雑に識別しすぎだろ。
小2の息子は極真空手に精を出しており、
こないだの大会では準優勝を勝ち取ってきた。
毎日学校のヤンチャグループを4〜5人連れてきては、
TVもゲームもない我が家で暴れまわって空手ごっこ、
それに飽きると外に飛び出し、戦争ごっことスケボー。
この閑静な住宅街で、うちの周囲だけ「昭和か?」
ってくらい、悪ガキの歓声が飛び交っている。何だか、
自分みたいな腺病質からああいう腕白が生まれてくる、
って所に、俺は遺伝子の無限のバリエーションを見る。
すぐにケンカを始め、くやし涙を流したかと思えば、
いつのまにかケラケラ笑って仲直り。
そんな子供らの喧騒をベランダから眺めつつ、俺は、
「君たちひるまずそのまま行けよ。歳をとっても、
他人の噂話や愚痴だけが楽しみの中年にはなるなよ」
と切に願う。福祉の現場はそんなのばかりなので、
なおのこと思う。
こうして、大学で、家庭で、
若者からもらうエネルギーの恩恵は計り知れない。
悩みも遊びも嘘がなく、全身からリアルがあふれ出る感じ。
こないだ出演させて頂いたNHK・Eテレ「シャキーン!」
のはるかちゃんも全てが全力投球で、俺にはまぶしく、
こういう感性は忘れまいと肝に銘じたのだった。
とにかく自分も、
今置かれている場所で全力を出し切ろうと思う。
何が起きても人のせいにはすまい。言い訳もすまい。
そして与えられている以上の物をやたら望むまい。
今後もアートを続けていきたいという気持ち、
人前で何かを表現したいという欲はある。それでも、
こと「幸せ」の一点に限っていうなら、
この生活上に更に付け足したい要素はない。
あくせく走り回ってようやく入手したものの、
今度はそれを失いやしないかと脅えたり、
手に入れた途端に色あせて見えてしまうような、
あの「学習しない悪循環」に戻りたいとは思わない。
人生はとても短いのだ。
by kan328328
| 2021-09-17 11:37
| 日常