アートプロジェクト高崎2021が開催中である。
三宅感による彫刻パフォーマンス、
「顔面バスツアー」も始まっているんだけど、
この一ヶ月ほど、僕はとても不安定だ。
なかなか参加者が集まらず途方に暮れたり、
締めつけられるような不安と吐き気の毎日。
夜には誰にも会いたくなくて布団にこもり、
すぐにでも泣きたいのに涙は流れない。
毎晩、深夜2時に汗ビッショリで目が覚め、
無性にどこかへ逃げたくなって家を飛び出し、
下はパジャマのまま深夜の住宅街を徘徊。
セブンイレブンでブラックコーヒーを飲み、
一瞬の安らぎを得るもカフェインで不安が増し、
再び徘徊・・・と、完全に挙動不審者である。
「顔面バスツアー」とは何なのか。そもそも、
現場に作品を設置するだけでは満足できず、
「自分の身体も作品としてぶつけていきたい、
人間でごった返す街の中へ異物を投入したい」
そういう意図で企画したパフォーマンスだ。
外へ飛び出していきたい!という衝動と、
誰にも会いたくない!という絶望のくり返し。
38歳になっても、二児の父になっても、
何にも成長していない自分の精神。
なぜもっとスマートにアートできないのか!
今年に入って朝晩ずっと坐禅をしていたので、
日々静かな心持ちで「何があっても平気っしょ」
くらいに思ってたのに、いざ本番が始まるとダメ。
すっかり克服したと思っていた弱い自分が復活し、
高崎城の下で心細さにガタガタ震え、奥さんに電話。
「もうダメだ、俺は。人も来ないし心が折れそう」
と伝えると、
「人が来ないなら町でチラシ配れば?」の提案。
弱った気持ちに寄りそうとかそういう次元じゃない、
無茶ぶりなアドバイスに急にカラ元気がわいてきて、
「よっしゃ配るわ!笑」
とチラシの束を抱え、店や通行人に配りまくった。
店員さんはほとんどこのイベントを認知しておらず、
「へえそんな事やってたの」と興味を持ってくれて、
すぐに参加者も決まったのだった。
俺は痛感した。
自分を脅やかしてくるのは、
いつだって自分なのだと。
そしてこれからも一生、
この弱い自分と付き合っていくしかないんだなと。
はずかしくて、みっともない自分と。
そんでチラシ配りの効果はやっぱり絶大だなと。
よし、残りの開催期間もがんばろう!
美術作家・三宅感のブログです
by kan miyake
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