兀兀として生きる

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半年ぶりのブログ更新。

4月から5月にかけてはほぼ休みなく、
大学の授業と介護現場の往復であった。
多忙な日々に心身のバランスを崩さぬよう、
カフェインと酒を極力控えていたこともあり、
今では水すら甘く感じるほど味覚・嗅覚が発達。
首のこり、ぎっくり腰、主婦湿疹、
喘息の発作をのぞいては、心身ともに良好です。

それでも見た目のぜい弱さゆえか、大学へ行くと、
学生さんたちがたびたび食べ物を恵んでくれる。
クリームパン、おにぎり、ゆで卵、お菓子。
今の20代はホント優しい・・・
若い善意がやたら沁み入る年齢になりました。

こうして刻々老いていく父を尻目に、
子供たち二人はすくすくと育っていく。
娘は生後2年目にしてようやく保育園に入園し、
息子は極真空手とマイクラに精を出しつつ、
どこかの物置きへよじ登って友達と宿題をこなす。

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生活はだから、これでいい。

では、俺の制作はどうか?

新作を作っているか?

正直、休日は精根尽き果てて、
ベッドに寝ころび惰眠をむさぼっている。
この一ヶ月、いくら寝ても疲れが取れない。
たぶん、働きすぎなのだ。

ダメだ、こんなんじゃ。

毎日ネタ帳を書いてるけど、制作しなきゃ意味がない。
頭の中でシミュレーションするだけでは臆病になり、
「こういう展示がしたい、こういう作品を作りたい」
という初期衝動まで殺しかねない。

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うちの近所に「Walla(ワラ)」という、
若手の美術作家さん達が数名で運営している
アーティスト・ラン・スペースがある。
そこで今、俺が借りているスタジオの創設者である、
アーティスト・久保田弘成さんの展示が開催中だ。
同時企画として、国分寺のカフェ「roof」の2Fでも、
久保田さんの巨大作品ポスター展が開催されている。

久保田さんはこの5年間、
日々の労働の合間に日本全国を駆け巡り、
生命力を感じさせる石「根石」を採取し続けてきた。
その数は1000にも上るというが、今回の展示では、
その中から選りすぐりの根石だけを展示している。

白い展示空間にズラリと並ぶ根石群は圧巻。
石に魅せられると人は険しい山奥まで分け入っていく、
その事実一つだけでも、人類全般に対する、
何だかわからない希望がわいてくる。

自分的にはとても住みやすい環境ではあるものの、
およそ文化的とは言いがたいこの平凡な住宅街に、
現代アートの微熱を持ち込んでくれたWallaに感謝。
これから週末の散歩が楽しみになりそうだ。

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物がゴツンとそこに在る、その強度のようなものに、
年々惹かれていく自分がいる。
モノ派の作品とか学生の頃はピンと来なかったけど、
今はしみじみ「いいなあ」と思うようになった。

場所ありきで作品を構想していくような、
サイトスペシフィックアートも、
瞬時に空間把握を強いられる即興パフォーマンスも、
他者にヒリヒリと対峙するリレーショナルアートも、
昔の自分はちっとも良さがわからなかったけど、
今はどれも楽しくてたまらない。

感性が日々変化しているんだなあと思う。
前に書いたブログの記事を読み返しても、
今ではまったく共感できないようなことを、
さもドヤ顔で書いているあたりがおかしい。
これから自分がどう変化していくか期待している。

by kan328328 | 2022-06-03 22:20 | アート

美術作家・三宅感のブログです


by kan miyake
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