○○言は言わない

昔は絵本をよく描いていました。十何冊か。
理性の限界に挑もうと「ヨーグルト」と書き続けた事もありました(当時、ヨーグルトになりたかった)。
人形アニメーションも昔から作ってました、ちらほら。そのおかげでアニメーション作家の人達とも知り合いになりました。
でも僕は根が引っ込み思案なので、こういった表現は自分には良くないなと思ったのです。合い過ぎるのです。
狭い自室に閉じこもり、暗い思念を自己完結させようとネチネチいじくりまわす自分の様が。どんどん社会との接点が無くなっていくのが何か、挑んでない気がしたのです。
人と接しなくて良いというのは考えものです。
だから最近は、変に社会性のあるアートアニメーションなんかが観れません。
「スタジオ籠って人形いじってるだけなのに、愛とは孤独とは人間とはなんて語られたくない!バカ!」と思ってしまいます。哲学書もまた、然り。
いろんな人と知り合ってその喧噪の中で揉みくちゃにされながら、強くなっていく、三島言う所の「なめされた牛革のような」人になりたいなあ。
去年のある日、知り合ったばかりの人と話す時は、大きい声でハキハキと喋ろう!と心に誓った日がありました。今の今まで実行し続けてきました。
そのおかげでたまに「もっと小さな声で喋れないの?」と迷惑がられます。でもすぐに疲れて、おかげで夜はぐっすり眠れます。

ロケハンしてると、今まで気にしていなかった景色に目を留める癖がつきます。
圧倒的な自然の中に立ち、自分というしょぼい生き物を毎日自覚してます。
へたに小洒落た柄シャツなんか着てった日には、山が嘲笑してきます。
「こんな山奥で、誰にアピールしてるの?熊?」
一人であきる野の山奥をロケハンしてたとき、子熊を見ました。自分からはかなり遠く離れてましたが。鈴を持ってなかったので、死ぬ程怖かったです。
「映画を撮るはずが、なんで俺は今、熊に怯えたりしてるんだろう……?」
農家のおばあさんにゴーヤとオクラを大量に持たされた事もありました。
「映画を撮るはずが、なんで俺は今、野菜の出荷を手伝っているんだろう……?」


「夏は嫌だよ道が悪い。ムカデ、ナガムシ、ヤマカガシ……」ってのは深沢七郎の唄。
山は怖いな。一人でいると、

人恋しくなる。

うそ。

いや、ほんと。


森のロケ場所の交渉をするために、森林組合に出向き、市役所、法務局、フィルムコミッションとも連絡を取ったりしてるけど、あっちこっちたらい回しにされて、仕舞いには花粉対策課に回されたりました。いつもの事。ほんっとにいつもの事ですが、じんわりへこむ。
これじゃ「生きる」の志村喬…………

それでも今までロケハン、シナリオいろんな面で協力してくれた人たちにはみんなハグしたいぐらいです。嫌がられるだろうけど。

画像は昔作った巨大ステンドグラス。

日記終わり


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by kan328328 | 2007-09-27 03:20 | 日常

美術作家・三宅感のブログです


by kan miyake
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