あんちゃ…

六本木シネマートで斎藤耕一監督「津軽じょんがら節」('73 斉藤プロ/ATG)を観た。
久しぶりに、えらい久しぶりに映画に惚れた。
映画って………………

あまりにツボにハマり過ぎて、嬉しくて、観てる時ずっとにやにやしてた。
このブログにて、存分に褒めさせてください。

○良かったとこ1
ストーリー展開。
東京でヤクザともめ事を起こした徹男は、恋人・イサ子の故郷、青森へと逃げてくる。ほとぼりが冷めるまでは、しばらくここで二人で生活をしようというイサ子の提案だ。
ほどなく海沿いの漁村で生活を始める二人だが、徹男の方は根っからの東京人のため、田舎が肌に合わず苛立つ毎日。
徹男「ああ!パチンコしてえ!」
一方イサ子の方は、生まれ故郷という事もあってすぐに生活に溶け込み、生計を立てるため近くの呑み屋で働きはじめる。
娯楽の無い日々に退屈しつつ、プラプラ道を歩いている徹男。と、岸辺でおかっぱ頭の少女がしゃがみこみ、釣り糸を垂れている。徹男は何気なしに少女に近付き、話しかける。が、少女の視点は徹男に定まらない。どうやら盲目のようだ。

ストーリーの良かったとこを抜粋するつもりが、下手なプロットもどきみたいのになって来たのでやめ。
東京の喧噪を離れ、青森の片田舎へ逃げてきた男女と、そこで出会った盲の少女との目くるめく愛憎劇。
なんだか、映画を観てあんなに胸が締め付けられるなんて………

○良かったとこ2
荒涼とした津軽海峡を背景に流れる、痙攣のような津軽三味線。
物語の合間合間に流れる「津軽じょんがら節」が、土着的な雰囲気を時に上品に、時に激しく演出しています。

○良かったとこ3
キャスティング。徹男役の織田あきらの初々しさも良かったのですが、盲の少女・ユキ役の中川三穂子は素晴らしかった。東北に旅行とか行くと、本当よくいる、こうゆう子。可憐、朴訥、恥じらい、はにかみ、とても可愛いです。
そしてやはりイサ子役の江波杏子は、うっとりするくらい綺麗だ。本当に、本当に綺麗。真っ赤なコートがよく似合います。

○良かったとこ4
構図。静かなシネスコ画面に広がる、津軽の萎びた村落。
特に、海辺で三味線を弾く老いた瞽女(ごぜ)と少女ユキを捉えた遠景は、心底美しいなあと思いました。監督は以前スチルカメラマンをしていた事もあるらしく、絵画のように丁寧な構図に、とてもこだわりを感じました。

○良かったとこ5
時折、映画の中に挿入される斉藤真一の絵画。
この映画で初めて斉藤真一という画家を知りました。幽玄、不穏なタッチ、亡霊のように浮かび上がる赫色。こんな絵を描く人が日本にいたんですね。大好きです、この人の絵。
映画を観終わってすぐ、神保町で画集を買い漁りました。

○良かったとこ6
随所にちりばめられた禁忌や東北らしいキーワード。
近親相姦、不具者、瞽女、イタコ、三味線、過疎化の進む閉塞的な村落、日本海の荒波……こうゆうの好きな人には、本当たまらないキーワードですね。

とゆう訳で「津軽じょんがら節」、絶対観るべき映画です。

日本人に生まれて良かった。
学んだ事、ロケハンは大事。キャスティングも大事。シナリオは何より大事。

画像は上・「津軽じょんがら節」のワンシーン。
下・斎藤真一画「赫い雪」
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by kan328328 | 2007-11-15 03:40 | 日常

美術作家・三宅感のブログです


by kan miyake
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